突然ですが、「エンディングノート」と聞いてあなたは何を思い浮かべますか?大切な人に思いを伝える「遺書」であったり、「死ぬ前の整理をするため」などの目的をもって書くものとイメージする方も多いのではないでしょうか。
また、「終活」という単語が一般的になったことでエンディングノートのついて知った方も多いはず。
そんなイメージのあるエンディングノートですが、実は20~30代の若い世代の方にこそおすすめなんです。
そんなエンディングノートについて、おすすめの理由や書き方について詳しく解説していきます。
この記事を読むことで、あなたのお悩みを解決するヒントになるかもしれません。早速読み進めてみてください。
エンディングノートとは
「エンディングノート」とは、簡単に言うと文字通り自分自身の“エンディング”、つまり人生の終わりについて書いたノートです。
自分自身に何かあったときに備えて、大切な家族があなたの死後に手続きなどを進める際に必要な情報をまとめ、残すために作成します。
また、日々の生活の備忘録として書いたり、これまでの人生を振り返ることでこれからの人生を考えるきっかけ作りにします。
「エンディングノート」と「遺言書」の違い
それでは、エンディングノートと遺言書の違いは何でしょうか。その違いについて3つポイントをお伝えします。
「エンディングノート」と「遺言書」 3つの違い
違い①「法的拘束力があるかどうか」
エンディングノートと遺言書との一番の違いは法的拘束力があるかどうかです。
どちらも自分自身の死後についての希望を書くことが可能ですが、エンディングノートはあくまで希望であり、法的拘束力はありません。
その一方、遺言書には法的拘束力があり、財産分割や遺産相続について記載した場合には遺言書の内容に沿って行われます。
違い②「記載内容の違い」
先ほどお伝えしたように、遺言書には法的拘束力があるため、定められた形式で記載しなければなりません。
その点、エンディングノートは自由に書くことができます。
あくまで大切な家族や相続人に向けたお願いであり、法的拘束力はないものの、遺産相続についての希望を書くことは可能です。
違い③「開封のタイミング」
エンディングノートには開封のタイミングという考え方はなく、生前死後に関わらずいつでも開封することができます。そして、いつでも内容を書き換えても良いのも異なる点です。
遺言書は勝手に開封することができません。遺言書の偽造や変造を防止する目的で、遺言書は開封前に「検認」という手続きが義務付けられています。
この検認を受けた上で相続人全員がそろった状態で開封することができます。
若い方にこそエンディングノートがおすすめな理由4つ
エンディングノートは終活を考えているシニアの方が書くものだと思ってはいませんか?実は20~30代の若い世代の方にこそエンディングノートがおすすめです。その理由を4つ解説していきます。
おすすめポイント①自分のやりたいことをクリアにできる
エンディングノートを書く過程で、自分の人生や価値観、希望、目標について考え、整理することができます。これにより、自己認識が高まり、自分の人生で本当に大切にしたいことを明確にすることができます。
おすすめポイント②自分自身が大切にしている価値観に気づける
エンディングノートを書くことは、
- 自分の生活や今までの経験
- 人間関係
- 信念
- 過去の経験
などこれまでの選択について考えることで、自分がどのような価値観を持っているのかをあらためて認識することができます。
そうすることで、自分自身が大切にしている価値観に気づくことができます。
例えば、家族や友人への感謝のメッセージを書き記すことで、周りの大切な存在を再認識することにつながります。
おすすめポイント③将来の目標に気づける
自分自身が大切にしている価値観に気づき、自分自身について改めて考えて整理することで、将来の目標に気づくことができます。
目標を立てる上で大切なのは、自分自身の現状把握と分析。
エンディングノートで自分自身のことをしっかり考えることで、自分のなりたい姿を思い浮かべることができます。
おすすめポイント④やりたいことに気づける
自分が大切にしている価値観や、将来の目標に気づくことで、おのずと自分のありたいことが浮かんできます。
- 自分が今まで過ごした中で楽しかったこと、苦しかったこと。
- 大切に思っている家族や友人。
- 大切な人たちとどのように過ごしたいか。
やり残したことはないかなど、残りの人生をどう歩んでいくかを考えるきっかけになります。そして、自分の将来の目標に向かって何をすべきかを整理する材料となるでしょう。
このように、今までの人生を振りかえり、これからの人生をどのように歩むかを考えるきっかけになるエンディングノートは、若い世代の方にこそおすすめなんです。
若いかたにおすすめのエンディングノートの書き方
ここまでの記事を読んで、エンディングノートを書いてみたいけど書き方が分からない…という方も多いのではないでしょうか。そんな方にエンディングノートの書き方をお伝えします。
①自分自身の基本的な情報を書く
エンディングノートを書く上で初めに書いておきたいのは自分自身の基本的な情報です。家族があなたの書いたものだと一目でわかるようにすると安心です。
≪基本情報の記載例≫
・氏名(フルネーム)
・生年月日
・住所
・電話番号
・メールアドレス
・運転免許証番号
・健康保険証番号
・マイナンバー
・財産や資産…健康保険や生命保険の情報、不動産、銀行口座、株式など
・ペットについて(譲渡先など)
②昔好きだったことを思い出す
学生時代にやっていたスポーツや、好きだったこと、趣味を大人になってから全然やらなくなったという方も多いのではないでしょうか?
エンディングノートで昔好きだったこと、はまっていたことを一度書き出してみましょう。
「中学時代やっていた野球、もう一度やってみようかな」
「高校生の時に好きだった読書、また始めてみようかな」
とやりたいことが見えてくるかもしれません。
③やりたいと思っていたことを書き出す
やりたいことと一口に言っても、すぐに実現出来ることから長い時間がかかるものまでさまざま。
「死ぬまでにやりたいことリスト」という言葉を聞いたことがあるかと思います。
仕事でもプライベートでも、やりたいことを思い浮かべると想定していたよりもたくさん出てくるかもしれません。
やりたいことを書き出して整理することで、実現までのプロセスが見えてくるはず。やりたいこと実現をめざしていくことで、生きる上でのモチベーションが向上することでしょう。
④やりたいことを叶えるための資金を計算する
やりたいことを書き出したあとは、それをかなえるためのロードマップが必要です。
特に、その中で資金が必要になってくるものもあることでしょう。その金額を計算することで、実現可能かどうかを検討する材料になります。
また、実現するために給与をアップするように努力する、副業を始める、資産形成をするなど、現状を変えることも考えられます。まずは、やりたいことをかなえるためにいくら必要かを計算してみることからはじめてみましょう。
⑤今すぐにできることの優先順位をつける
やりたいこと、それをかなえるための資金について計算をしたところで、すぐ実行に移すことが出来ることをピックアップし、優先順位をつけましょう。できることから始めることで、人生の楽しみにつながること間違いなしです。
⑥Todoリストに落とし込む
エンディングノートの書き方④「やりたいことを叶えるための資金を計算する」にて、やりたいことをかなえるためのロードマップが必要だと書きましたが、資金も含めて何をやるかを考えます。
Todoリストに落とし込むことも重要です。
やりたいことをやるまで、いくつもの段階を踏む必要があるものもあるでしょう。道のりが遠いように思えることでも、Todoリストに落とし込み、一つ一つ埋めていくことで実現まで着実に進んでいきます。
⑦達成をしたらチェックを入れる
やりたいことをかなえるためにやることをTodoリストに落としこんだあとは、実現に向けて動くだけ。達成したらチェックを入れ、実現まであとどのくらいかを可視化しましょう。また、実現するためのモチベーション維持にもつながります。
エンディングノートを気軽に書くことから始めよう!
シニアの方が書くイメージのあるエンディングノート。ですが、そんなエンディングノートは20~30代の若い世代の方にこそおすすめで、
①自分のやりたいことをクリアにできる
②自分自身が大切にしている価値観に気づける
③将来の目標に気づける
④やりたいことに気づける
といった4つのメリットがあります。まずは気軽にエンディングノートを書いてみるところから始め、自分自身について整理し、これからの人生をどう生きるかを考え、やりたいこと実現に向け歩みだしましょう!